お客様に”本物の住まいとは”を伝えたい Vol.3
今回は、安心・安全の為に重要な構造材についてお話ししたいと思います。
昨年の今頃は”ウッドショック”の真っ只中にいました。
それは今も続いていますが、一年を経過した現在でも入荷の面、価格の面で苦労があるようです。
何か他人事のように言っていますが、ogawaでは構造材に関しては
”ウッドショック”の時点で、国産材に切り替えました。
吉野材、木曾材、天龍材と比べ名前的には知られていませんが
栃木・茨城・福島にまたがる地域を八溝と言い、その地域から算出される木材を
”八溝材”と言い、良材が産出されています。
実は、数年前から何回か現地に出向き、材料の良さを確認していましたので
国産材への切り替えとしましては、”ウッドショック”は切り替えの良いタイミングでした。
土台材、大引材、柱材、間柱材、筋交材、屋根下地材とすべて、オール桧材を
使用しています。
私たちも以前では構造材がオール桧材とは考えられませんでした。
以前では、構造材をオール桧材にすれば、20~30%高くなっていたと思います。
それほど、桧材は高価なのだという認識でした。
それが驚いたことに、八溝の桧材では、外材、杉材等と比べ材木費がほとんど
上がっていません。
その理由は、産地直送にあります。
1.生産者直接買い
2.市場介入がありません
3.問屋介入がありません
4.材木屋介入がありません
実際、産地の木材製材店では、市場の仲買よりogawaへの売値は少し高くなっているはずです。
それでも、産地直送の価格は、中間業者が介入しないことで、
以前より安く入手できています。
これは…
産地よし
ogawaよし
お客様よし
…の構図です。
全てが桧材で出来上がるわけではありませんが、建物の80%は純国産の桧材で
作られているのが、今のogawaの新築住宅です。
今まで、産地直送に気が付かなかったことを考えると、お客様に申し訳なさも感じます。
そして、私たち工務店業者が、今までの外材一辺倒から国産材に切り替えたら
日本の林業の発展の活性化に寄与すると思います。
こんな話があります。
山での適切な”木”の間引き、枝打ち等がちゃんと出来ている山では
落葉も腐葉土化し下草も程よく伸び、そこから流れ出る水がやがて
小川になり、その集合体の川はミネラルが多く含まれた大きな川として
やがては海に流れ出します。
その海は養分が多く含まれた海水と混じり、沿岸漁業が盛んになります。
これはまさに、SDG'sの流れなのです。
日本の林業の活性化は、とても大事な循環を生み出す元になっています。
日本の林業が若い方たちには魅力のない業種に位置付けられ、後継ぎ不足が
長い間言われてきました。
いわゆる”山が荒れている”状態になり、危機的な状態でありましたが
”ウッドショック”が起き、日本材が見直される事になり、見直しの機運が高まって
活性化してきました。
こうしてみますと、何がきっかけで幸運に結びつくかは解りませんね。
ただ、これも一時的なものなのか、先は解りません。
しかし最近のロシア情勢で、ロシア産材の輸入が止まると
これはかなり影響がでます。
そして更に、日本材の見直しが加速するものと思いますので
一気にブレイクするかも知れません。
その時には、日本材の値上がりが無いように、願うばかりです。
それではまた、次回。